諸橋茂一の言語道断

平成16年8月

〈その1〉

「日中境界のガス田開発はしっかりと進めるべきである」

 

「あまりにも遅すぎる」と言わざるを得ないが、それでも漸く我が国の東シナ海の排他的経済水域(EEZ)の境界として我が国が主張する「日中中間線」沿いの日本側海域で、日本政府による天然ガスや石油の資源調査が去る7月7日に始まった様である。(7月7日付け産経新聞による)この海域には、相当量の資源(天然ガス等)が埋蔵されているという説とそれほどでもないという説と両方ある様だが、中国は既に、80年代初頭から東シナ海の真ん中で石油資源の開発を行っており(産経新聞6月30日付け)、「日中中間線」から僅か九キロとみられる中国寄りの海域で二つ目の天然ガス採掘施設を着工し(産経新聞6月18日付け)、「『春暁ガス田群』で来年から天然ガスの生産を始め、19年には年間25億立方メートル(原油換算で約250万キロリットル)に拡大する計画である」(同7月7日付け)ちなみに、「この量は、大阪ガスの家庭向け年間ガス販売量にほぼ匹敵し、約630万戸分の消費量を賄う事が出来る」(同7月7日付け)という。

 60年代末に、東シナ海の大陸棚に石油資源が埋蔵されているとの国連ECAFAの報告が発表されたとき、我が国の企業4社が日本側海域に鉱区を設定して、先願権を獲得し、資源調査を通産省(当時)に申請したが、通産省と外務省が、その案件をたらいまわしにしてうやむやにしてしまっていたという経過もある(同6月30日付け)という。我が国政府の対応は実にお粗末としか言いようがない。

 「我が国の資源調査の動きを事前に知った中国は、同外務省の沈国放次官補が我が国の阿南惟茂大使を呼びつけて、日本側の調査に対して懸念を表明し、日本側に慎重な行動を求めた」という。中国は一体何を言っているのか?自国が堂々と開発を進めながら、我が国が調査しようとしたら、とたんにその事に対して異議を唱えるとは一体何事か?と言わざるを得ない。これらの事に限らず、中国はこの他にも我が国の抗議を無視して、度々海軍艦艇等による我が国の周辺海域の海洋調査活動を続けている(同7月1日付け他)様である。

 全くとんでもない事である。度々これまで、「首相の靖国参拝」や「我が国の歴史教科書」等について中国の非常に理不尽且つ非礼な抗議や圧力等に対して我が国が非常に卑屈な外交姿勢を続けてきた為にこの様な事になってしまっているのである。我が国は、国益と国家としての誇りをもっとしっかりと考えて、独立国としての気概をしっかりと持った外交をしなくてはいけない。

 KBニュース4月1日号でも記したとおり、中国は、中国人に強い反日感情を植え付ける為に、江沢民が全国に18もの反日施設を創り、学校でも徹底的な反日教育を続けているのである。その為、「先日、中国の重慶でサッカー・アジア杯が開催された際、日本の国旗掲揚の時に多くの中国人観客がブーイングしたり、日本選手に対してブーイングを浴びせ続けたり、何と、日本人観客に物を投げつけたりした」(同7月28日付け)という事にまで繋がっているのである。我が国の自虐的な教育並びに卑屈な外交姿勢を根本的に改めなくてはいけない。

 

 

〈その2〉

ロシア・「ユコス」問題

 

「ロシア治安当局は3日、巨額の追徴税支払い命令を受けた同国石油大手のユコス本社ビルを封鎖・差し押さえた。同社の一時国有化は避けられない事態となった。同国は、同社に対して、6月4日までに34億ドル(約3,700億円)(8月2日付読売新聞によると、総額1,974億ルーブル(約7,380億円))もの追徴税を支払うように命じ、同社に追徴税を支払う機会を殆ど与えずに、国家管理下に置いた。プーチン大統領は、オリガルヒーと呼ばれるロシアの大富豪たちとクレムリンで協議した際、ビジネスマンの一人がユコス問題を間接的に取り上げようとしたものの、問題はあたかも存在しないかの様な答弁で黙殺。議論すらも許さない重い空気が会場を支配した。その論理と手法は、ロシア革命を主導した『ボリシェビキ』(後のソ連共産党)にも通じかねない」という。(産経新聞7月7日付け)

 KGB出身のプーチン大統領は、非常に危険な面を持っている様である。我が国は、敗戦間際、昭和20年8月8日、(旧)ソ連に、一方的に「日ソ中立条約」を破棄されて、(旧)満州、南樺太、千島列島を侵略され、多くの民間人を殺傷・陵辱された。しかもその上、56万人もの日本人をシベリアに強制連行されて、6万人もの日本人が死に至らしめられた。全くとんでもないことである。(旧)ソ連国内においては、スターリンが何と2,500万人ものロシア人を殺戮したと言われている。その様な国家の体質はそう簡単には変わらないと見るべきである。今回の「ユコス問題」の後のロシアを我が国は、注意深く見守る必要がある。

 

 

〈その3〉

我が国の教育を真剣に考え直さねばいけない

 

次から次へと繰り返される子供による凶悪犯罪、6月1日には、「長崎で、小学6年生の女子がカッターナイフで、同級生を殺害。」その後、「富山県で中学1年生の女子2名が、いきなり見ず知らずの男性を包丁で刺し、殺人未遂」、その後去る7月21日には、「小学6年の男子らが、同級生を脅して何と100万円を恐喝していた」という記事が産経新聞に掲載されていた。一体我が国はどうなっているのか?学校教育、家庭のしつけ、青少年を取り巻く社会環境…等々を根本から真剣に考え直さなくてはいけない。特に古今東西を問わず、「教育は国家百年の大計」である。戦後、日教組によって歪められ続けてきた我が国の教育を何が何でも正常化しなくてはいけない。そうしなくては、我が国の将来を非常に危うくする。

 

〈その4〉

これでも教師か?

 

「東京都内の市立中学の教師(男)が授業中3年生全員に、女性の性器の名称を出した上で、『最初は緊張しているから開かない』と解説したり、(中絶する為に)『パフェのスプーンの様な器具でほじくり返す』などの説明をした。更に、その教師は『子供の出来方を知っているか』と質問。いやがる男子生徒を指名し、性交の方法やコンドームの装着方を答えさせたという。更に『君たちの年代では(子供を)育てられない。できてしまったらおろさなければならない』と一貫して、生徒の妊娠・中絶を前提に話を進めた」という。(産経新聞7月21日付け)

 この教師は頭がおかしいのか?いやそうではなくて、この様な教師が全国に相当数いるようである。現実にこれまでも当地金沢も含めて同様の報道が何度もなされている。この様な馬鹿な教師に教育を受けていたら、子供たちがおかしくなるのも当たり前である。

 この様な馬鹿な教師は教育の場から一掃すべきである。全国の教育委員会は真剣にその事に取り組むべきである。

 

 

〈その4〉

「許してはならない。外国人参政権」

 

7月21日付け産経新聞「正論」欄に、(ドイツで活躍しておられるノンフィクション作家)「クライン孝子さん」が「外国人に参政権を与える事の危険性」について鋭く述べておられた。亡命者天国と言われるドイツですら、多くの弊害を放置する訳にはいかず、これまでの「(移民)寛容政策を大幅に軌道修正し始めた」ということである。小生も相当以前に同様のリポートを記載しているが全く同感である。

 

〈その5〉

「貧しい。しかし高貴だ」と言われた日本は今どこに

 

前号で、アインシュタインが、大正11年に我が国を訪れた際に我が国を称賛した言葉を掲載した。6月25日付けの産経新聞には、お茶の水女子大学の「藤原正彦教授」がフランスの詩人ポール・クローデルの言葉を紹介しておられる。

「太平洋戦争で日本の敗色が濃くなった頃、大正末期から昭和始めにかけて駐日大使を務めたフランスの詩人ポール・クローデルは、パリで、『日本は貧しい。しかし高貴だ。地上に決して滅んでほしくない民族をただ一つあげるとすれば、それは日本人だ』と述べたという。

アインシュタインやポール・クローデルが称賛した日本人は一体何処へ行ってしまったのか?

我々日本人は、戦後の偏向した教育の中で、いかにも戦前・戦中の日本が全て間違っていたかの様な教育を受け続けている。しかし、それは全くの間違いである。戦前・戦中の日本・日本人が持っていた素晴らしいもので、戦後の日本・日本人が失ってしまったもの、失いつつあるものがどれだけあるか、計り知れない。

「我が国が、先祖代々受け継いできたはずの素晴らしいものは、自信を持って後世に受け継ぎ、反省すべき点があれば改める」その様な姿勢をしっかりと持って我が国の今後を真剣に考え直さなくてはいけない。戦争に負けたからといって、それ以前の全てが間違っていたかの様な考え方は大きな間違いである。

 

KBMTOP
言語道断TOP