「我が国が米国に対して追従(盲従)止むなし」論調一辺倒への反論
去る3月22日、「日本を守る会」の中田会長より、「我が国の小泉首相を始め、多くの識者やマスコミが『対イラク戦争』に関して、受け止めようによっては、(北朝鮮問題もある為に)我が国が米国に対して追従(盲従)止むなし」 という様な論調に対して、「その論調は非常におかしい」 というリポートをお送り頂きました。
そのリポートに対して、小生が中田様にお送りさせて頂いた(小生の)リポートを以下に掲載させて頂きます。
中田 清康 様
前略、伊藤哲夫 様に対する「『今月の主張』に反論する」 を拝読させて頂きました。概要において、小生も中田様と同様な意見です。
米国が、国際法に大きく違反して、広島・長崎に対する原爆投下及び我が国の主要都市に対する無差別攻撃によって、約90万人にも及ぶ我が国の民間人を殺戮した事、戦後、我が国の国民を精神的に弱体化する為に、「3R5D3S政策」並びに「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」に基づき、神道指令による靖国神社の疎外化、東京裁判並びに報道統制による日本人に対する一方的贖罪意識の植え付け、憲法の押し付け及び教育勅語の廃止並びに教育基本法の押し付けによる日本人の精神的無力化並びに精神破壊、等々を含めて、中田様の述べておられるとおり、米国が我が国に成した不法・無法の数々及び国民の多くの精神構造をおかしくしてしまった罪・責任は非常に甚大なるものがあると思います。
ただ、同時に、我が国が昭和27年に占領を解かれた後、「憲法改正」並びに「自存自衛の安全保障体制の確立も含めて、その様な米国の日本人精神解体化政策を大きく改める事が出来なかった我が国政治家の責任、及び、米国のその様なとんでもない政策を更に増幅させて悪用し続けている日本共産党及び(旧)社会党(現・社民党)並びに日教組及び全教、及び朝日を始めとした偏向マスコミの数々の責任も非常に重大なものがあると思います。
一方、米国の横暴のみならず、終戦間際、日ソ中立条約を一方的に破棄して、北満州及び南樺太並びに千島列島にいきなり攻め込み、我が国の多くの民間人に対し、虐殺、略奪、婦女暴行の限りを尽くし、(北方領土のみならず)我が国の領土であった千島列島並びに南樺太をどさくさに紛れて強奪し、その上、戦後、60万人とも言われる(元)日本兵をシベリアに抑留し、約60,000人もの(元)日本兵を死に至らしめた(旧)ソ連の無法・不法も正に言語道断であると思います。
どさくさに紛れて、我が国の竹島を不法に占領し、とんでもない反日教育を続けている韓国並びにチベットやモンゴル並びに新彊ウィグル地区を含めて、周辺諸国の不法占領を続け、、韓国と同様にとんでもない反日・侮日教育・反日煽動を続けている中国も言語道断であると思います。
もちろん、我が国の多くの同胞を国際誘惑し、自国民を約300万人以上も殺害していると言われている北朝鮮は全く言語道断です。
しかし、冷静に考えてみれば、その様に周辺諸国から良いようにあしらわれ続けていながら、いつまでも主体性の無い土下座外交しか出来ず、何の国家的改善も出来ない我が国の政治家があまりにもお粗末過ぎると思います。
一体、我が国の政治家は何の為にいるのか? 強い憤りを抱くと共に実に情けなくなります。
世界中で大きな反戦抗議デモ等が繰り返された中で、それを無視するかの様に「対イラク戦争」が始まりました。 「世界の現実は、決して善悪で動いているのでは無く、各国それぞれの国益を賭け、それぞれの複雑な思惑で常に世界は動いている。ただ、我が国の国民の多くは、余りにも人が良過ぎる為に、その様な現実を正しく厳しく受け止めていない。」 そこに大きな問題があると思います。
我が国の小泉首相を始めとして、与党の主な政治家の発言は、概ね次の様なものです。
曰く、「米国は世界でただ一つの同盟国である。万が一に北朝鮮が暴発する様な事があれば、我が国を護ってくれるのは米国だけである。だから、その米国が苦渋の選択をした以上は、我が国としては、それを強く支持せざるを得ない。」という様なものです。
小生は決して、朝日系列マスコミや共産党及び社民党並びに日教組・全教の様に、ただ単純に「戦争反対」、「平和」、「平和」と唱えるつもりはありません。
しかし、だからと言って、ただ単純に米国盲従でもいけないと思います。それでは一体我が国はどうすべきか?と言う事になります。
我が国は、自存自衛の安全保障体制の不備な今の現状では米国を支持せざるを得ない。しかし、もしも、我が国に有事法の整備並びに自存自衛の安全保障体制が整備確立されていたならば、どの様な姿勢を採るべきなのか?
というよりも、「今回の対イラク戦争を機に、その様な自存自衛の防衛体制の早期確立の為の好機とすべきである」 と言う中田様のお考えには全く同感です。
「ロバート・スティネットの『真珠湾の真実・ルーズベルト欺瞞の日々』でも明らかな様に、米国がイギリスと組んで、我が国に対して、我が国が開戦せざるを得ない様に徹底的に追い込んだ事や冒頭で記した事を含めて、米国が国際法に大きく違反して我が国に対して成した不法・無法の数々並びに過去ハワイやフィリッピンに対して行った不法・無法の数々を米国は真剣に反省すべきである、と言う事も全く同感です。
イラクも過去にクルド人の虐殺や91年のクゥエートの不法占領を含めて、確かに多くの問題はありますが、しかし国連の査察を相当受け入れていた事もまたこれ事実です。であれば、査察期間をせめて半年間くらい、延長し、徹底的に厳しい査察を継続して、イラクに対して、大量破壊兵器・並びに細菌兵器及び化学兵器を徹底廃棄させる事は決して不可能な事ではなかったのでは無いか?
せめて、そのくらいの(時間的な事も含めての)経過を経て、それでもどうしてもイラクがそれに充分応じない、協力しない、と言う状況が続いたならば、その場合は止むを得ない、と言う事になるかも知れません。
米国の今回のイラク攻撃は、昭和16年に英国と組んで、我が国を開戦に向けて徹底的に追い込んだ如く、まず「開戦ありき」としか思えません。それでは、米国がそこまでして、やみくもに対イラク戦争を始めた大きな理由は一体何なのか?
それは、既に多くの同様な報道がなされている様に、イラクを制圧する事により、中東における石油利権のより一層の増大と、中東における政治的及び軍事的な影響力の増大、引いてはそれらの世界的・絶対的影響力(というよりも)世界に対する絶対的支配力の確立にあると見るのが極く順当な見方であろうと思います。
米国は対イラク攻撃の直前に、「今回の戦争はイラクの国民を解放する為の戦争である」 と発表しています。
もしも、米国のその様な主張が許されるならば、我が国が英米両国に追い込まれ、止むなく戦った「大東亜戦争」において、我が国はその戦争目的として、「我が国を護る為と、併せて、(欧米の植民地になっていた)東南アジアを開放する為に戦う。」という大義を掲げた訳ですが、米国は今からでもその当時の我が国の戦争目的をはっきりと認め、当時の我が国を大きく称えるべきであろうと思います。同時に、戦後、戦争犯罪人として、1千数十名の日本人を処刑した事を心より詫びると共に、処刑した方々の名誉回復を図るべきであると思います。
何故ならば、当時の我が国は、特定の一国のみならず(前述のとおり)東南アジア全域を開放する為に実に甚大な犠牲を払って戦ったのですから...。
それは、リンカーン大統領が、「南北戦争」で南部の奴隷を解放した事を大きく超える人類史上における実に大きな偉業であると思います。
他の何れの国家も、その様な事を成そうとした國もありませんし、その様な事を直接・間接に成した國もありません。それは我が日本国だけです。(世界の多くの識者もその様な見方をする人物が相当増えてきている様です。ただ、誠に残念なことに、戦後、長期間続いた「自虐教育」の為に、日本人自身が、その様な歴史観を素直に持つ事の出来ない人が余りにも多い、という非常に情けない現実は一方にはありますが...。)
その一つの歴史的に明らかな証左の一つが戦後、「インドネシアの独立を完遂する為に、戦後、約1,000名の(元)日本兵の方々が、祖国日本へは帰らず、インドネシアの独立戦争に参戦され、約700名の方々が戦死された」事にも明らかです。
(去る3月12日〜同16日迄、上記インドネシアの独立戦争に参戦された方々の生き残りの方々(インドネシア全土で、もう16名しか生き残っておられない)の内、お二人に直接お会いし、当時の心境並びに状況をお伺いしてきました。その事に付いては、別に述べさせて頂きます。
以上、誠に僭越では御座いますが、小生の所感を述べさせて頂きました。 今後とも変わらぬ御指導を賜ります様何卒宜しくお願い致します。 早々
平成15年3月22日
諸橋 茂一