「田中外務大臣の資質を問う」
小泉内閣が国民の圧倒的な支持を受けながら順調な滑り出しを見せている。しかし同内閣のアキレス腱となりそうなのが田中真紀子外務大臣である。
既報のとおり、
1李登輝台湾前総統の再訪 日は認めないと言う発言。
2「新しい歴史教科書」は歴 史をねじ曲げているとい う発言。
3来日したアーミテージ米 国務副長官に対する面会 キャンセル問題。
4オーストラリア外務大臣 他に対して「米国のNM Dミサイル防衛計画に対 する疑念」発言問題。
5日米安保体制に対する疑 念発言問題。
等々、内閣でのコンセンサスも全く得ないままに、しかもこれ迄の我が国の外交姿勢とは相当食い違う内容の事を全く独断で話してしまっている事が非常に多い。
それらの中でも特に「新しい歴史教科書」が歴史をねじ曲げている、という発言は全くとんでもない事実誤認であり、不勉強も甚だしいことである。
これまで使用されてきている中学校の歴史教科書があまりにも歴史をねじ曲げてしまっている為に、あまりにも自虐的になり過ぎている為に、このような教科書で学んでいたのでは日本人としての自信や誇りを持てないだけではなく、将来の我が国を担うべき若者の精神が歪んでしまうという強い危機感を感じられた方々が力を合わせて、「日本人としての自信と誇りを持てる教科書を何が何でも作らなくてはいけない」との、正に必死の思いで作られたのが扶桑社の「新しい歴史教科書」である。
中国や韓国が何故この「新しい歴史教科書」の検定を通させないように執拗な圧力をかけ続けたのか?そして今現在においては何故この教科書を採用させないように圧力をかけ続けているのか?はたまた我が国と正式な外交関係もなく、しかも金正日の息子が過日、不届きにも我が国に不法入国までしている北朝鮮までもが何故「新しい歴史教科書」を採用させないように圧力をかけているのか?
それは非常に簡単なことである。歪んだ自虐的な教科書で日本人が勉強し、一人でも多くの日本人が出来るだけ強い贖罪意識を持ってくれた方が、それらの国々にとっては好都合であるからである。何故ならば、一人でも多くの日本人がそれらの国々に対して強い贖罪意識を持ち、いつまでも平身低頭を続け、出来る限り多くのお金を出してくれた方が良いに決まっているからである。
田中外務大臣がそのような事さえ判らずに外務大臣を続けることは我が国の国益を大きく損ねる事になることは明らかである。
アーミテージ米国務副長官との会談キャンセル問題も、同副長官が米国のブッシュ新政権の外交問題に関する中心スタッフであり、しかも同副長官は昨年、今後日米関係をもっともっと強化していかなくてはいけないという「アーミテージリポート」をまとめた中心人物でもある。そのように重要な人物との面会をキャンセルするということは、アーミテージ氏が今後の日米関係に於いて非常に重要な人物である、という認識を全く持っていなかったということに他ならない。
その他の問題についても、前述のとおり、内閣でのコンセンサスも全く得ないままに、自分の思いだけで発言をしているのは森前首相以上にとんでもないことであり、森前首相の発言など比較にならぬくらいに国益を大きく損ねる問題発言である。
田中真紀子が外務大臣になってから外務省の大臣秘書官が二人つぶれてしまった、という。田中大臣の強烈な言動に僅かな期間でつぶれてしまった秘書官もだらしないといえないこともないが、田中大臣の頭ごなしに怒鳴りつける様に、まくし立てる様に言う言い方も非常に問題があるのだと思う。
何人かの外務省幹部は大臣室に出入り禁止になっているということである。それもまた異常なことである。
田中角栄元首相は立派な大政治家であった故に、田中真紀子は小さな時からちやほやされて育った為、他人の心の痛みが良く分からないではないだろうか?
人を使う為の勉強もしないと人を使う資格がない。
以上の様に正に問題だらけの田中外務大臣であるにも拘わらず6月10日付けのアンケート結果によると、田中大臣に対する支持率は何と75%にもなっている。
これは一体どうなっているのだろうか?テレビのワイドショー番組の影響が相当大きいのであろうか?
このような状況を見ると「首相公選制」にも大きな問題があると言わざるを得ない。
田中外務大臣が反省すべき点を真剣に反省し、出直さない限り外務大臣を続ける資格はない。同時に真剣にそうしなくては我が国の国益を大きく損ねるばかりである。
靖國神社不参拝を得意気に言っている同大臣が先日、訪米時、アーリントン墓地に献花した。一体何を考えているのか?
今のままの姿勢で外務大臣を続けるとしたら全くとんでもない事である。それこそ言語道断である。
平成13年8月